矯正治療の「専門医」は、全国に約300名ほど
日本矯正歯科学会から認定される「専門医」
専門医は、日本矯正歯科学会が認定した「認定医」の中からさらに一定の条件をクリアした矯正歯科医にあたえられる称号です。2015年10月現在で、全国に矯正治療の「認定医」は3029名。
その中で、「専門医」の称号をもっているのは309名です。
日本矯正歯科学会は1926年に設立され、日本各地の矯正歯科医を中心に6,400名を越える会員により構成されている学会です。
歴史、会員数ともに矯正歯科治療に関する学会、団体、研究会の中で日本一の規模をもち、最も権威ある学会であると言えます。
認定医となるには下記の条件が必要です。
a. 歯科医師免許を有すること
b. 歯科医師免許取得後、5年以上継続して学会会員であること
c. 学会指定研修機関において5年以上矯正歯科研修を修了したもの
d. 学会の認めた学術刊行物に矯正歯科臨床に関する報告を発表したもの
e. 学会倫理規定を遵守する者
この認定医のうち、特別に技術と経験が優秀であると認められた者が選抜され、日本矯正歯科学会専門医の認定を受けることができます。
専門医となるには、下記の条件が必要です。
a. 日本矯正歯科学会認定医資格を有する歯科医師
b. 10年以上継続して学会会員である者
c. 学会の定めた10種類の課題症例を自分で治療し、その全ての治療結果が学会の定めた基準を満たして合格すること
d. 過去10年以内に学会の定めた刊行物、または学術集会において矯正歯科に関する発表をした者
e. 学会倫理規定を遵守する者
f. 他科の専門医を有していてもかまわない
このうち「c」に定められている条件は非常に難関です。
条件的に厳しい症例が多くありますし、提出内容も治した経過のレポートだけではなく、治療前後の比較、治療後2年以上経過しても良好な状態で維持されているという各種の証拠(石膏模型、写真、レントゲン写真等)、また、患者様からの証明と同意を書面でいただかなければなりません。
さらに審査の公平性を確保するため、審査の採点は匿名で行われます。受験者の知名度や権威に縛られずに、純粋に結果・実力のみが審査されるのです。
日本矯正歯科学会認定の専門医について、さらに詳しくお知りになりたい方はこちらのサイトへ。
矯正治療コーディネーターのつぶやき
矯正治療の専門医は、
矯正治療「も」行っている歯科医さんとは違うんです。
歯科医であれば、矯正治療はできることになっています。ですが、すべての歯科の分野に精通している歯科医はいないでしょう。
矯正をするのであれば、ひとつの目安として日本矯正歯科学会が認定した「専門医」を選択することをお勧めします。
矯正歯科医院の選び方 認定医・専門医とは…
よく、1枚の看板にたくさんの診療科目が書かれているのを見ることがあります。 その中で矯正歯科という診療科目を良く目にします。何人かの歯科医がいて、その中に矯正を専門に診る先生がいれば良いのですが…。実際に歯科医師免許が有れば誰でも矯正治療をしても良いことになっています。しかし、すべての歯科分野に精通している歯科医はいないでしょう。例えば、歯科の大学病院には、20以上の歯科の専門分野の診療科目に分かれ、最近では歯科アレルギー外来、口臭外来、イビキ外来、睡眠障害の外来、スポーツ歯科、ペインクリニック科、心療歯科など新しい専門分野が出来ています。各得意分野同士の先生との協力下で矯正治療をすることもあります。矯正治療を受けるのであれば、一つの目安として日本矯正歯科学会が認定する条件(経験と実績)を満たしている矯正歯科医が良いのではないでしょうか。
学会に所属していなくても腕の良いドクターがいるかも知れませんが、患者さんが探すのには、とても難しいと思います。
また、専門医となると、認定医の中から、また難しい条件を満たしたドクターが専門医の称号を与えられ、それも5年ごとに診査があり、通過した者がこの専門医の継続が出来るのです。
平成27年現在 認定医3029名 専門医309名
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